今頃ですが、「インセプション」を見てきた。
家のAV機器があまりにも充実していない事もあり、基本的には「映画は映画館で」の私は、見逃してしまったらそのままになる事が多く、特にこの様な映画の場合、映像や音響の質に作品に対する感想が影響される事があるのでレンタルはもう何年もしていない。
1/8から1/14まで、我が愛する(笑)早稲田松竹で「Dr.パルナサスの鏡」と共に上映中という事で、いそいそと出かけた。
しかも、最終回の上映なので割安という、なんともありがたい状況で。
前置きが長くなってしまった。
えっと、なんとなくダラっと書くので、ネタバレすると思われ、もしも未見の方がいらっしゃったら、ご注意を。
他人の夢に侵入して、その人物の潜在意識にある情報を抜き取る産業スパイのコブ。
その犯罪に関わる事なのか、妻殺しの容疑をかけられ指名手配されている。
その為に自宅に帰り子供達に合う事すら出来ない。
その彼に、情報を植え付ける(インセプション)仕事の依頼が舞い込む。
”インセプションは危険”と依頼を拒むコブも、逃げ回っている生活から抜け出し、子供の待つ”家に帰る"ことが出来るという事を条件に、ついに首を縦に振る。
実体は別の場所にある、意識だけの世界というと、「マトリックス」がまず浮かぶ。
「マトリックス」では、人間が構築した大きな機械の中に広がる世界に意識だけが入るような感じだったが、この映画では全員が夢を見ながら世界を構築していく。
夢への侵入の為には世界を構築する「設計士」がいるが、他の人物の意識の介入もあり、全てが思い通りに行く訳ではない。
スパイが横行する時代の為、企業の重要ポストにある者は、夢へ侵入された場合に備えての訓練を受けており、時には敵と戦わねばならない。
コブは死んだ妻に対しての意識が強く、夢の中に度々妻モルが現れ邪魔をし始める。
侵入の間、現実と夢では時間の流れが違う(乱暴に言えば「浦島太郎」)事によって、できる事の幅がグンと広がりアクションシーンが充実し、ラストのあのシーンが俄然面白くなっていると思う。
夢から覚める為には、夢の中で死ねばいい、と最初に示される。
観客もそう思い込むが、それでは戻れない場合もあるのが分かってくる。
夢から覚める為には、その世界で眠らない者が1人必要で、現実世界ではコブのチーム6人と標的のロバート、そして依頼主サイトーの計8人がいて、7人が眠り、客室乗務員になっている仲間が起きてい状況に対処している。
一層目の夢では「調合師」ユスフが起きていて6人が眠っている。
次の層ではアーサーが起きている。
次ではイームス、そしてアリアドネと。
それぞれがそれぞれの層で目覚める為の仕事を黙々とこなす。
最後、無重力の中で"きたぞ!"と思うのは、それまでに、色々なところで上の層で何が起きているのか気づくシーンがあり、見ているこちらにも、夢の深さを感じさせられたりからなのかと。
ユスフだけが起きている最初の層の夢。
眠る全員が音楽を聞かされている。それがピアフの歌なのだが、実はこれ、回転数を変えてスローにしたものを、それまでに観客は、映画の所々で聞いているのだそうだ。
この歌が目覚めの合図になっている。
映画の中では短く流れるだけだが、エンドロールでじっくりと聞く事ができる。
聞きながら思った事。それは、"この曲で目覚めるなら、私も、この曲でこの映画の世界から目覚めるんだな"
侵入の失敗、サイトーとの対面、依頼、仲間集め、若い設計士に対する説明、、、と、順を追って段々とその世界に入っていく観客。
観客に対するインセプション。そこからの覚醒。
ストーリーとしては、コブの意識からモルの影響をなくせるかとか、ロバートにインセプションした結果、父子間の誤解が解けたりと、ちょっといい話なのだが、私はそれは、どちらかというとどうでもよくて、世界の構築、脚本と映像化に俄然、関心が。
そして、レオ様の影がうすく感じる程にアーサー、モルの印象が強く、イームス、アリアドネ、ロバートも良く、その演技あってこそのあの世界であるというのを強く感じた。
もう、あの無重力シーン、エンドレスで見たいくらい、アーサーの仕事振りに痺れた。
あの無重力シーンが、映画の核で、あれをやる為にストーリーがあるのでは?と思った程、あのシーンは素晴らしい。
見られて良かった。
-----ここからは、すでにつぷやいたりもした余談。
キリアン・マーフィやマイケル・ケインなど、クリストファー・ノーラン監督のバットマンシリーズでお馴染みの俳優さんにも"おっ"と思ったのだが、なにより、トム・ベレンジャーを久々に見て"おぉ〜っ"となった。
「Someone to watch over me」が懐かしい。
エンドロールに、ルーカス・ハースの名前が。
全く気づかなかったけど、最初にでてきた裏切った仲間だよね?
アーサー役の俳優、何かみた事あるような?と気になってwikiったら、なんと、子役で「リバー・ランズ・スルー・イット」に出ていたと。
他にもみた事のある映画もあった。
マリオン・コティヤール、さすがの上手さ。
「ペンローズの階段」が出て来るのだが、エッシャー好きな方、いかがでしょうか?
ラストシーン。
私は、現実に戻ったと思う。
理由は、回る音が変わったから。軸が少しずれたように見えたから。
マイケル・ケインが虚構なんて!!と思うから(笑)